EPISODE
1-7
■「連絡先交換して「一緒に試合に行こう」とかになってるのを聞いたりすると、少しは貢献できてんねんなと。」
伊庭:今はどうしてんの?
土岐:店を始めてからは、ホームは全部行ってて、アウェイは減らしてます。まあ大事やなと自分が思った試合は行ってますけど。
店でファンの方と一緒に試合を見ているのが、最初はそんな自分に少し気持ち悪かったです(笑)
伊庭:たしかにね。
土岐:まあ、自分は店をやる使命みたいなのもあるし、それもサポートやと思うんでやってます。
伊庭:良いと思う。すごく良いと思うわ。そういうのもあるからCEREBAKAの記念すべき第一回目やねんけど。
土岐:ありがとうございます。
伊庭:サポーターとしては考えられるけど、店とか、そんなとこまで含めて考えられる人ってなかなかいてなくて。蹴球堂始めたときもそう思ってて、両立できる人が少ないなって。馬鹿で居続けられない。結構そこは大事と思ってる。
土岐:そう思います。
伊庭:でも、歴史を辿ってみて、セレッソを好きになって良かったかと思う一番はやっぱり何なの?
土岐:やっぱり、いろんな人に出会えることかな。スタジアムのすごいなと思うところは、老若男女関係なく友達になれる、仲間になれる、みたいな。スタジアムに行けば誰か知ってる人がいて、みんなで喋って飲んで。
伊庭:ほんまそうやな。名前知らなくてあだ名で呼び合ってたりしたりとか。
土岐:自分が店を始めた経緯もそれに近いんで話します。
試合終わったあと、みんなで居酒屋に行ったりすると、試合の日に合わせて店員さんがユニフォームとか着てくれてたりするじゃないですか。それはそれでいいことやけど。
とはいえ、長居にセレッソ感はないよなーとか、自分らが飲みに行ったら「勝ちましたね!」って来てくれたらいいけど、「注文どうぞ」みたいな感じが寂しいなって思って。
自分でバーとかやりたいなと思っていたときに蹴球堂長居店の洪水事件があったり、CHANTも閉めるという話を聞いたんで、いろんな人に相談したりして。
サッカー好きな人が集まる、そこに行けばサッカーを好きな人たちがいて一緒に酒を楽しめるっていう空間を絶対作らなあかんわと思って。
伊庭:それ、大事やな。
土岐:で、当時のペースからしたらだいぶフライング気味に急いで店を出すことになって。
そんななかでこの店で仕事をしていて一番嬉しいのは、ひとりで試合を見に来ていて「セレッソ仲間がおれへんねん」という人が、たまたま店で出会った人と飲んで。そして試合の日にその人らがスタジアムで喋っているのを見たら滅茶苦茶嬉しくて。
伊庭:それはいいなあ。それはすごいよね。
土岐:連絡先交換して「一緒に試合に行こう」とかになってるのを聞いたりすると、少しは貢献できてんねんなと。
伊庭:店自身はそういう出会いの場じゃないんやけど、出会ってしまうっていうか。
土岐:そうですね。なんかみんなセレッソ好きやから話も弾みますし。なんかそれが嬉しいなあと思いますね。
伊庭:特に試合終わったあとにな。馬鹿騒ぎして飲むのもいいけど、しんみりと飲めるっていうのもひとつやな。
土岐:それがなんか、やっていて幸せやなと思うし。こんな時期なのでみんなも心配してくれていて。絶対潰したらあかんなと思いながら。