EPISODE

3-6

■「横田さんが見てきて、やっぱり誰が一番すごい選手なのかな、と。」「蛍。即答します。彼が最高ですよ、間違いなく。」

伊庭:年間で10試合程度を、良い意味で”捨てられる”といいのかもしれないですね。意図して捨てるのではなく、未来への戦略的に。


横田:上が見えても下が見えても難しくなってしまうので、中段くらいで5年ほどやってみるとか。


伊庭:口に出すと憚られるっていうのがあるんで、今なら大御所の方がやって頂けるのがいいですね(笑)


横田:特に関係のない我々がそれを言うなら、まあ地下組織なので、いいんですわ(笑)


伊庭:まさにアンダーグラウンドですね(笑)おっしゃる通りです。

でも、やっぱりこの10年。横田さんがユースを見始めた2004〜5年くらいから2014年。2013年だと拓実(南野拓実選手)とかですかね。その辺りのユースからの昇格選手が、やっぱりちょっとすごすぎた。


横田:プロになるには技術とかもありますが、運の要素もありますね。タイミングをつかむ力。


伊庭:分かる気がします。


横田:上手く入り込める力、それと怪我しない力。それらが分かれ道になると思う。引退してみないと分からないけど、どこでどうなるか。

だから色んなパターンがある 。結局、上手くいくのといかないのとがあるなとは思うけど、今は良かったなと思う。


伊庭:これまで見てきた中で、と言ったらダメでなんでしょうけど、”一番の最高傑作”って選手を選ぶとしたら誰なんですか?横田さんが見てきて、やっぱり誰が一番すごい選手なのかな、と。


横田:蛍(山口蛍選手)。即答します。彼が最高ですよ、間違いなく。

彼が3年の時のチームっていうのが、俺が見たなかでは一番強い。マル(丸橋祐介選手)がいて龍(永井龍選手)がいてタカ(扇原貴宏選手)がいて。


伊庭:Jユースカップのファイナルまで行ったときかな。たしかダービーで先制して逆転されたやつですよね。なんか思い出してきた。山口蛍選手のどういうところが素晴らしいと感じているんですか?


横田:俺の背中について来い、を体現するような選手でしたね。信頼感が圧倒的に高かった。彼で「勝った」という試合がとても多かった。


伊庭:まだ成長してますもんね。

さて、横田さんは、これからどうされていくんですか?サポーターとしてもそうでしょうし、アカデミーも含めて、この先になにか目指すものとかあったりするんですか。

あ、これ、全然適当に聞いてますけど(笑)


横田:適当、重々分かります(笑)

話は逸れるかもですが、2005年のユースの試合をフルで見て、その翌年がとてもしんどかったんです。そもそも2005年がグダグダだったんですよ。監督人事やそれ以外にもいろいろあって。

大学に進学する選手がいて、大学サッカーも並行して見るようになってきたんです。その後も大学からプロ選手になったら、その試合も見に行って。

セレッソのトップチームには上がれなかったけど、その先のサッカー人生どうするのか、を見続けたかったし、気にもなってましたから。


伊庭:その気持ちは、よく分かる気がします。