EPISODE
4-4
■「プレッシャーをかけるような言いかたをすれば「ファン、サポーターを先導する」くらいの役割を持たなければ」「めちゃ格好良いなと思います。」
伊庭:まあ若いときには不甲斐ない試合とかで選手に対して思うところもあったけど、大人になって分かってきた気もしますね。
そういう意味では、大旗の方々の気持ちの起伏って、どうなっていたのかなとかずっと思っていました。
僕はI4ゲートくらいで応援していて、そこで「最前列でどんな気持ちで振っているのかな、この人たちは」とか感じていました。
実際はどんな気持ちだったんですか?
ごうあん:大きくはふたつある。
ひとつは「旗を振ることを楽しむ人」。大旗を振ることができればOK、応援のリズムに合わせて振るのが楽しいという人がいる。
もうひとつは、大旗を振るイコール最前列にいる。それは言ってしまえば「応援を盛り上げる」。プレッシャーをかけるような言いかたをすれば「ファン、サポーターを先導する」くらいの役割を持たなければ、と思う人。
そこまでの気持ちを持って大旗を振っている人は、ものすごい重圧の中で振っている。
伊庭:大半の方は前者として捉えそうです。なんだかステータスぽいというか。
ごうあん:それはなんとなく分かりますね。
伊庭:でも、ゴール決めたりしたときに大旗が最前列で振られてたらやっぱり気持ちが良いし、そんなギャップもあるのかもしれない。
あと、違った観点で言うと、大旗の方々って性別の分け隔てとかも無いように見えていて、そこはすごいなとも思う。
ごうあん:そう言われるとそうかな。
伊庭:チームとして認めあっているようにも思えて、ものすごくリスペクトしていました。大旗の世界では男性女性なんてない、断る理由もないというなかで、どんな思いで大旗を振るような気持ちになったのか気になっています。
ごうあん:平等に意見を交わしながら、大旗をどうしていくか、とか真剣に話してましたからね。
伊庭:めちゃ格好良いなと思います。
まあ、そうは言っても世代が変わっていって、スタジアムではなかなか声もかけられなくなった。若い子たちには覚えられていない感があります。
ごうあん:僕もスタジアムに行っても「どこのおっさんやねん」と思われていると思う。そんな場面によく出くわしますし。だから、そういう若い子たちが、JFL時代の話とかおっさんの昔話を本当に聴きたいのかな、とも思います。
伊庭:徐々に知りたくなってくるんじゃないかな?聴く側は知りたいし、話す側もふと思い出したくなるときが来ますよ。10年前も一昔やからね。
そういう意味では今から10年前の2011年シーズンなんてあまり覚えていない(笑)
ごうあん:悪いことばっかり覚えているけど(笑)